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ありがとうファームは2014年、父の故・木庭寛樹が創業しました。長男である私の兄が知的障がいを持っていた事がきっかけで、就労継続支援A型事業所ありがとうファームの設立に至りました。最初は福祉の精神から始めた会社でしたが、面接に来るメンバーたちに、ものすごい才能と個性、やる気がある姿に感銘を受け、みんなが持っている障がい者の真の能力や姿、想いというものを社会に発信していくことが使命なんだと気づいて、今の形に至っています。企業理念は、「生き生きと堂々と、人生を生きる」。障がいに関わらず、人生を前向きに楽しく生きていこうという思いが込められています。ハブラボはありがとうファームの使命である「共生社会の実現」を強力に推し進める魅力のある事業です。メンバーたちを見ていると、立派に講師を務めており、子どもたちもあまりハンディキャップを意識する事はないのだろうと思います。一番重要なのは、知ってもらうこと。ハブラボは、もしかしたら少しの配慮が必要かもしれないけど、それさえあれば障がい者も能力を発揮して、生き生きと堂々と、働くことができるということを社会に証明できる、ありがとうファームの重要な取り組みです。社長というのは、全てのプロジェクトに絡んで全部引き上げていくんだみたいな、ちょっと勘違いしていた時期もあったんですが、「まあ、そんなんは無理じゃな」と気づきました。だから今は、やる気があって能力があって思いがある人、そういう人にしっかり権限委譲するのが私の方針です。ハブラボについては、深谷︵代表︶やメンバーが一生懸命運営してくれているので信頼し、嬉しく見守っています。同時に、ハブラボという取り組みが、障がいを持った当事者の仲間たちや、その支援者たちにも広がり、当事者と子どもたちが交わりながら、本当のインクルーシブ教育、共生社会の実現につながっていってくれることを願っています。ありがとうファーム 代表取締役 木庭康輔企業理念は生き生きと堂々と︑人生を生きるありがとうファーム/就労継続支援A型事業所。利用者90人、指導員25人。岡山市表町商店街の中に事業所が9か所あり、アートとサービス業の二本柱で「自分たちの給料は自分たちで稼ごう!」という考えを全員がもち働く。特にアート部門には、国内外から評価の高いアーティストが多数所属し、岡山県展入選作家・障がい者アートの世界大会グランプリ受賞者輩出。企業へのレンタルアートも稼働中。作って販売するだけでなく、子どもたちにアートを教える等、教育事業にも取り組んでいる。創業者の木庭寛樹は、たくさんの夢や想いを仲間に託し、2022年他界。  6  

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