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生きる力を育む地域との連携で生むアートがもつ可能性の社会化インクルーシブな社会日本では障がいがある子どもにも学びの選択肢があると言われてはいるが、どれだけ子どもたち自身の意思が尊重されているだろうか。現にありがとうファームで働く支援校出身者の多くは、本人ではなく親や先生がどこでどんな風に学ぶかを決めてきたそうだ。8人の生徒に対し1人の教員が配置される支援校に行って良かったという声が多い一方で、通常学級でもっと深く学びたかったという声もある。私たちはものづくりを通して「こたえを自分でつくり出す力」を育みたいと考えている。アート活動を入口にする事で、工夫と創造によってゴールを自分で決めることができる。「自分はこうしたい」と言える力をつくること、その力で自分の人生の舵をとれるようになることを私たちは目指している。同時に、未だにたち成しきれていない課題でもあると認識している。 「なにつくる?から、はじめよう」というハブラボの問いは、子どもだありがとうファームを訪れる多くの大人が「障がい者とどう接していいのか分からなかった」と言う。これまで配慮という名のもとに分離があったことを示唆している。障がいがあっても無くても社会をつくる一員となれる場をアート活動を通して実践していきたい。けでなく私たち大人への問いでもある。どんな街をつくっていきたいか?魅せる・集う・つくるをコンセプトにした岡山芸術創造劇場がこの街に2023年に誕生する。文化が市民から生まれる街になっていくためには地域住民の理解と協力そして日常的にアートに触れる機会があることが必要不可欠だ。現在、ハブラボでは情操教育に関心をもつ18社の企業から資材提供等の協力をいただいている。今後も企業も含め地域と連携をして、子どもの笑顔が商店街に溢れ、市民からプロフェッショナルまでの表現活動が行われてる街、そんな地域活性と文化創出に繋がる活動をますます発展させていきたい。29   it'sハブラボ 活動報告岡山芸術創造劇場ハレノワと共同開催した「ハレノワぐるり徒歩ツアー」。72名の親子が参加。「表現活動をしたら、そこがステージになること」を体験。

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